短編

壁を塗っていたら、背後から何か気配を感じた。振り返ってみるとそこには、昔(明治か大正あたりか)の人が野良仕事をする時に着るような(というかそのものだ)ヨレヨレのボロを着た男がだって居た。身長は150cmほどで、歳は俺と同じ50歳前後だろうか。顔にこれと…

Noooo,I don’t.

29歳の時に「よし、料理を生業としよう!」と決めて、それまで1日に20〜30本吸っていたタバコをスパッとやめて生きて来た。それから23年かそこら、指の間に挟むのは箸と鉛筆くらいだった(そんなことはないか、、)。で、去年の暮にまた吸い始め…

君の名は

俺の家から見える住宅地そこには日本で指折りの変人が住んでいるその名もメダカジジイ86歳彼は時間も財産も含め、生涯の全てをメダカちゃんに捧げている敷地は水槽で埋め尽くされ、寝ても覚めてもメダカメダカ…

タツルさん

タツル、というのが俺の名前で、漢字では「樹」。初対面の人なんかからよく「どんな漢字書くんですか?」と聞かれる。「じゅもくのじゅ、一文字」と答えるのがが1番わかりやすいらしく、そんな風に言えばいいのだが、俺はヘソ曲がりだから「樹氷の樹」とか「世界…

休日の朝には

パンケーキを焼いてコーヒーを淹れてハッシュドポテトにコーンスープだ。これを月に5、6回は普通にやる。そう!パンケーキが大好きなのだ。うちは食育の家だから・良い粉数種類(配合は秘密♡)・無調整の豆乳・アルミフリ…

さてもおもしろき世の中よ

去年の三月の半ば、キナコが忽然と姿を消した。キナコというのは、家で飼っていた三毛猫の雌なのだが。とある日の午後に、畑の猿石(これについては説明を割愛しよう)の上に座っているのを見て以来、彼女は消えた。裏の森で狸にでも襲われたか、…

ようこそ村門へ

「ギターだけでいいんじゃない」ライブ後に酒飲みながら、聞間拓に問いかけてみた。この問いかけの真意は、鉤括弧の中には無い。ようこそ村門へ。また待っているよ。IMG_8732…

退廃音楽北陸紀行-富山-

楽しかった。ローカルは村門お馴染みのメンツで固めていただき、いつもの仲間で。とわ言え言葉にし難いとても心地よいアウェー感。誰のおかげってそりゃあもう今回のオーガナイザーであるイシダさんのおかげ。と勝手に思っている…

ホワーイ

ふと思う虫ってなんで動くんだ?人間ってなんで動くんだ?俺たちが学校で習う物理では説明出来ない何か。何かが動かしているこの世界。不思議だ。…

俺にはじいちゃんがいなかった

じいちゃんというものを知らずに育った。じいちゃんが何かは知っていたが、俺には生まれた時からそれがいなかった。そんな俺にじいちゃんが出来た。じいちゃんとは5年ほど前に出会った。それ以来じいちゃんは3日にあけず俺ん家にコーヒーを飲み…

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